2以上の用途地域等にわたる敷地の容積率
敷地が容積率制限の異なる用途地域等にわたる場合、それぞれの地域等の部分ごとに容積率の限度を計算します。そして、それぞれの地域等ごとの敷地面積比による加重平均で、容積率の限度を算定します。
$$容積率=y_A\times\frac{x_A}{x_A+x_B}+y_B\times\frac{x_B}{x_A+x_B}$$
それぞれの地域等の容積率限度は、指定容積率と前面道路の幅員による容積率のいずれか小さい方の制限となります。容積率の按分計算自体は難しくありませんが、「指定容積率」と「前面道路の幅員による容積率」の比較を忘れてしまい、安直に「指定容積率」で計算してしまうと間違ってしまうので注意が必要です。
容積率の按分計算例
前面道路が1つのとき
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1敷地A部分の計算
指定容積率 200%
道路幅員による容積率の計算
6m × 0.4 = 2.4 ⇒ 240%
指定容積率の方が小さいので、200%を採用。
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2敷地B部分の計算
指定容積率 400%
道路幅員による容積率の計算
6m × 0.6 = 3.6 ⇒ 360%
道路幅員による容積率の方が小さいので、360%を採用。
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3按分計算
の式に数値を代入します。
\(200%\times\frac{200㎡}{500㎡}+360%\times\frac{300㎡}{500㎡}=296%\)よって、この敷地の容積率の限度は、「296%」となります。
前面道路が2つのとき
前面道路が2つ以上ある場合は、道路幅員による容積率を計算するための道路がどれかを判断できなければなりません。
「敷地A部分は幅員4m」で計算し、「敷地B部分は幅員6m」で計算すると考えてしまうかもしれませんが、それは間違いです。
この敷地の場合、最大幅員の6mで両方とも計算します。
敷地A部分は幅員4mの道路にしか接道していませんが、敷地の接道の考え方は用途境がどこにあるかは関係ありません。敷地単位で考えます。
よって、この敷地の容積率の限度は、先述した前面道路が1つのときと同じ「296%」になります。
ポイント
敷地が接道している道路は、用途地域の部分ごとではなく、あくまで敷地全体で考える。