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延焼のおそれのある部分とは

建築基準法では、隣接する建築物からの火災延焼を防止するため、隣地境界線、道路中心線または同一敷地内の2以上の建築物相互の外壁間の中心線から一定の範囲内を「延焼のおそれのある部分」として規定しています。延焼のおそれのある部分を示す線は、「延焼ライン」と呼ばれています。

延焼のおそれのある部分にある建築物の外壁、軒裏、開口部等は、火災の延焼防止のため防火設備を設けるなどの防火措置が必要になります。

 

延焼のおそれのある部分とは

  1. 延焼のおそれのある部分は、隣地境界線、道路中心線または同一敷地内の2以上の建築物相互間の中心線から、1階の部分では3m以下、2階以上の部分では5m以下の距離にある建築物の部分をいいます。
  2. 2以上の建築物の床面積の合計が500㎡以内のときは一の建築物とみなすため、建築物相互間の延焼ラインは発生しません。
  3. 防火上有効な公園、広場、川等の空地や水面、耐火構造の壁その他これらに類するものに面する部分は除かれます。

延焼のおそれのある部分をもう少し詳しく

防火上有効な公園や広場に建築物があるとき

防火上有効な公園や広場等に管理事務所などの建築物が存在する場合、その部分については延焼ラインが発生します。

外壁間の中心線のとり方 -外壁面が平行の場合-

外壁間の中心線のとり方 -外壁面が平行でない場合-

自転車置場やゴミ置場等の附属建築物

自転車置場や小規模な物置等の附属建築物は、主要構造部が不燃材で造られ、火災の発生のおそれの少ないものであれば、隣棟間の延焼ラインは発生しません。

火災の発生のおそれが少ないものであることが条件であるため、この場合の自転車置場には燃料を有するバイクをとめてはいけません。

また、小規模な物置等の開口部については防火設備を設ける必要があります。

 

防火上有効な袖壁

防火上有効な袖壁

延焼ラインが発生する部分から開口部までの間に防火上有効な袖壁を設けた場合、開口部の防火設備を不要とすることができます。

例えば、下図のように袖壁を設け、袖壁越しに隣地境界線からの距離を1階であれば3m以上、2階以上であれば5m以上の距離を確保した場合、開口部に防火設備は不要です。

この延焼のおそれを遮るための防火上有効な袖壁は、耐火構造、準耐火構造、防火構造のいずれかとする必要があります。

袖壁を道路境界線まで延ばした場合

防火上有効な袖壁を道路境界線まで延ばした場合、隣地境界線から発生する延焼ラインが道路部分を介して回り込むという考え方は無いため、道路中心線からの延焼のおそれのある部分の範囲外であれば、道路に面する開口部の防火設備が不要になり、開口部を大きくとれるなど設計の自由度が増します。

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