接道長さは原則2m
都市計画区域および準都市計画区域内では、建築物を建てる敷地は原則として建築基準法上の道路に2m以上接していなければなりません。避難上、消防活動上支障がないようにすることが目的のため、1箇所で2m以上あることが必要で、複数の接道箇所を合計して2mとすることはできません。
2m以上接していても接道とならない場合
敷地が道路に2m以上接していても、敷地に通じる路地状の部分の幅員が2m未満である場合は、安全、防火上などの観点から有効な接道とはみなされません。
2m幅の路地状部分に構造物がある場合
旗竿地で接道している路地状部分にブロック塀や擁壁等があり、実際に通行できる部分は2m未満となるケースがあります。このような場合は、敷地が道路に2m以上接していれば接道要件を満たしていることになります。
条例による制限の付加
不特定多数の人が出入りする特殊建築物、3階以上の建築物、延床面積が1,000㎡を超える建築物等を建てる敷地では、その用途、規模の特殊性から2m接道では避難や通行の安全を確保できないと認める場合、地方公共団体が条例で、その敷地が接しなければならない道路幅員、接道長さ等必要な制限を付加することができます。下記のような建築物が規定の対象となっているため、各地方公共団体の条例を確認することが必要です。
- 特殊建築物
学校、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、市場、舞踏場、遊技場、公衆浴場、旅館、共同住宅、寄宿舎、下宿、工場、倉庫、自動車車庫、危険物の貯蔵場など - 階数が3以上の建築物
- 無窓居室を有する建築物
- 延床面積が1,000㎡を超える建築物
福岡県建築基準法施行条例では、第20条で建築物の敷地と道路との関係について規定しています。他に百貨店、劇場等については21条、22条で規定しています。
福岡県建築基準法施行条例 第二十条延べ面積(同一敷地内に二以上の建築物がある場合においては、その延べ面積の合計)が1000平方メートルを超える建築物の敷地は、次条及び第二十二条で定める場合を除き、道路(自動車のみの交通の用に供するものを除く。以下同じ。)に6メートル以上接しなければならない。ただし、建築物の周囲に広い空地があり、その他これと同様の状況にある場合で安全上支障がないと特定行政庁が認めたときは、この限りでない。2 次に掲げる用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が200平方メートルを超え、1000平方メートル以下のものの敷地は、第二十二条で定める場合を除き、道路に4メートル以上接しなければならない。学校 体育館 病院 診療所 劇場等 展示場 百貨店、市場、マーケットその他物品販売業を営む店舗 ダンスホール キャバレー 遊技場 公衆浴場 ホテル 旅館 共同住宅 寄宿舎下宿倉庫(倉庫業を営む倉庫に限る。第二十三条において同じ。)自動車車庫 自動車修理工場3 法第四十三条第一項ただし書きの規定により特定行政庁が許可した建築物については、前二項の規定は、適用しない。
幅員4m未満の道路にのみ接道する場合の制限の付加
建築基準法では道路の最低幅員を4m以上と規定していますが、土地の状況等によりやむを得ない場合として42条3項の幅員4m未満の道路を認めています。3項の道路は特例の規定のため該当する機会は少ないと思いますが、この幅員4m未満の道路にのみに接する場合には、地方公共団体の条例により、敷地、構造、建築設備、用途に関する制限を受けることがあります。