法令

廊下に必要な有効幅の考え方

 

廊下の幅

廊下は、災害時に階段や屋外へ避難するための重要な通路となります。そのため、建物の用途別に両側居室の廊下とその他の廊下(片側居室など)に必要な幅員が規定されています。

柱型や手摺が突出している廊下では、それらを除いた有効寸法を算定します。廊下に手摺や設備機器を取り付けると必要な寸法が確保できなくなる場合があるので注意が必要です。

 

廊下の幅員の一覧(建築基準法施行令119条)

廊下の用途 廊下の配置

両側に居室がある廊下

その他の廊下

小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校の児童用または生徒用 2.3m 1.8m
病院の患者用 1.6m 1.2m
共同住宅の共用廊下(その階の住戸または住室の床面積の合計>100㎡
地上階:居室の床面積の合計>200㎡の階
地階:居室の床面積の合計>100㎡の階
(それぞれ、3室以下の専用廊下は除く)
上記以外 制限なし

 

ポイント

廊下に必要な有効幅は次の3つで決まる。

  1. 用途
  2. 面積
  3. 廊下の分類(両側居室、片側居室、3室以下の専用)

 

廊下の幅は突出部を除いた有効寸法

幅の測定は、壁面間の水平距離です。廊下の幅は通行に必要な有効寸法で規定されるため、柱型が壁から突出している場合、柱の面からの最小寸法が令119条に規定する数値以上でなければなりません。手摺や設備機器が設置されて突出している場合も柱型と同様に有効寸法を算定します。
マンションの共用廊下に自転車や植木鉢等を置かないよう注意書きされるのは、障害物により廊下の有効幅員が確保できなくなるためです。

 

手摺の「出幅10cm以下ならないものとみなす」は階段だけ

階段の手摺には、「出幅10cmまでをないものとして幅員に含めることができる」と、施行令第23条3項で規定されています。しかし、廊下の幅員にはこの緩和規定がありません。そのため、手摺の出幅分を除いた有効寸法が廊下の幅員となります。廊下も階段の扱いと同じであると勘違いしないように注意して下さい。

注意ポイント

手摺の出幅分が緩和されるのは階段だけ。
廊下の幅員に緩和はない。

 

両側居室、片側居室、3室以下の専用廊下の例

1. 片側の居室の出入口が廊下に面していない場合
廊下に面した出入口の有無で両側居室か片側居室かを判断するため、図のように片側にしか出入口がない場合は片側居室として扱います。

2. 片側が居室ではない場合
機械室や倉庫は居室ではありません。廊下の両側に出入口があっても片側居室として扱います。

3. 3室以下の専用廊下の考え方
右側の部分は、3室以下の専用廊下として扱います。しかし、左側の部分は3室以下の専用廊下とはみなされません。

 

 

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