屋上広告塔の天空率の取扱い
天空率の検討は、適合建築物と計画建築物を比較して行います。計画建築物の天空率を検討する際は、「建築物のすべて」を含んで検討します。
建築物に付属する門や塀、避雷針の基礎や受水槽のような設備機器など、建築物の部分となるものは天空率の算定の対象となります。そのため、目に見えるものは天空率の算定対象としなければならないと考えてしまいがちです。
しかし、天空率の算定は「建築物」を対象にしているため、看板などの「工作物」を含む必要はありません。よって、屋上に広告塔を計画している場合は、広告塔が「建築物」扱いになるか、「工作物」扱いになるかが重要になります。
屋上に設置する広告塔は、広告看板としての本来の目的よりも、建築物の外装要素が強いと思われるものは建築物の一部として取り扱われます。そのため、工作物の取り扱いについては、構造的に分離していること、看板と建築物は50cm以上離れていることなどが自治体によって規定されています。天空率に余裕がない計画で広告塔設置の話が出た場合には、早期の段階で審査機関に相談することが大切です。