非常用の照明設備とは、災害時の避難や消防の消火活動等がスムーズに行われるようにするための照明器具です。通常の照明とは異なる電源としているため、非常時の停電した状況でも明るさを確保することができます。
不特定多数の人が利用する特殊建築物、階数が3以上で延べ面積500㎡超の大規模建築物、採光上無窓となる居室がある建築物などに設置が義務付けられています。
非常用照明設備の設置基準
設置対象となる建築物または部分
設置が必要な建築物・部分 | 設置する場所 | |
① |
法別表第1(い)欄(1)~(4)項の特殊建築物
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② | 階数が3以上で延床面積が500㎡を超える建築物 | |
③ | 無窓居室(採光有効面積が居室の床面積の1/20以上ない居室) | |
④ | 延床面積が1,000㎡を超える建築物 |
適用が除外される建築物または部分
- 一戸建ての住宅、長屋・共同住宅の住戸
- 病院の病室、下宿の宿泊室、寄宿舎の寝室、その他類する居室
- 学校等(学校、体育館、ボーリング場、スキー場、スケート場、水泳場、スポーツの練習場)の建築物
- 採光上有効に開放された廊下、通路等
- 避難階の直上または直下にある居室で基準を満たすもの(平成12年建設省告示1411号)
- 床面積30㎡以下の小規模居室で基準を満たすもの(平成12年建設省告示1411号)
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小規模居室の非常用照明の緩和【告示第1411号第二号】
床面積が30㎡以下の居室は、非常用照明の設置をしないようにすることができます。 以前は、ホテル等の多数の人が利用する建築物については、原則すべての居室とその避難経路に非常用照明の設置が義務付けられてい ...
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非常用照明装置の構造
非常用の照明設備は、火災時などの停電時に自動的に点灯し、床面で1ルクス以上の照度を30分間以上保ち、火災時に温度が上昇した場合でも著しい光度低下をしないものでなければなりません。
そのため、建築基準法では、非常用照明設備の構造を、次の(1)、(2)のいずれかとする必要があるとされています。
(1)仕様規定
- 直接照明とし、床面において白熱灯1ルクス以上の照度を確保する
(蛍光灯、LED灯の場合は2ルクス以上) - 火災時に温度が上昇した場合でも著しく光度が低下しないものとして国土交通大臣が定めた構造方法
- 予備電源を設ける
- その他、大臣が定めた構造方法を用いる
(2)性能規定
火災時、停電した場合に自動的に点灯し、かつ、避難するまでの間に建築物の室内温度が上昇した場合であっても、床面において1ルクス以上の照度を確保することができるとして国土交通大臣の認定を受けたもの。
その他
一般社団法人日本照明工業会は、建築基準法および関連の告示の規定に適合していることについて、自主的に評定を行っているので、「JIL適合マーク」のあるものは、原則として建築基準法令に適合しているものとして取り扱うことができます。