コンクリートブロック塀の基準
コンクリートブロック造の塀の基準は、建築基準法施行令62条の8に規定されており、構造計算によって構造耐力上安全であることを確認した場合を除いて、次の基準で作らなければなりません。
高さが1.2m以下の塀の場合、(5)と(7)は対象外です。
- 高さは2.2m以下
- 壁厚15cm以上(高さ2.0m以下は10cm)
- 頂部と基礎には横筋を入れ、端部と隅角部には縦筋を入れる。(径はφ9以上)
- 壁筋は縦横ともφ9以上で80cm以下の間隔で配筋する。
- 控壁は鉄筋コンクリート造で壁高さの1/5以上突出させる。
- 鉄筋の端部はかぎ掛けにする。(基礎の配筋で40d以上の定着をとる場合は、縦筋の末端を基礎の横筋にかぎ掛けしないことができる。
- 基礎の丈は35cm以上、根入れは30cm以上
既設塀のチェックポイント
平成30年6月に発生した大阪府北部地震によるコンクリートブロック塀の倒壊被害を受け、国土交通省が既設の塀の安全点検のためのチェックポイントを作成しています。
参照:国土交通省ホームページ ブロック塀等の安全点検等について
http://www.mlit.go.jp/report/press/house05_hh_000731.html
チェックポイントは(1)~(6)までありますが、高さに関する(1)と(3)のチェックポイントは専門知識がない人でも目視で簡単に判断可能です。コンクリートブロック1段の高さは20cmなので、ブロックの段数を数えることで高さが分かります。
ココがポイント
- コンクリートブロックは、どんなに高く積まれていても11段まで。
20cm × 11段 = 2.2m - 控え壁が不要なのは6段まで。7段以上積まれていたら控壁が必要。
20cm × 6段 = 1.2m
建物の所有者、管理者はチェックポイントを用いて安全点検を行った結果、危険性が確認された場合には、補修もしくは撤去が必要になります。コンクリートブロック塀を施工した施工業者、またはお近くの工務店に対応の方法を相談してください。誰に相談したらよいか分からない場合は、各市町村の役所に相談窓口が用意されていることがありますのでご確認ください。
関係法令
建築基準法施行令62条の8
第六十二条の八
補強コンクリートブロック造の塀は、次の各号(高さ一・二メートル以下の塀にあつては、第五号及び第七号を除く。)に定めるところによらなければならない。ただし、国土交通大臣が定める基準に従つた構造計算によつて構造耐力上安全であることが確かめられた場合においては、この限りでない。
一 高さは、二・二メートル以下とすること。
二 壁の厚さは、十五センチメートル(高さ二メートル以下の塀にあつては、十センチメートル)以上とすること。
三 壁頂及び基礎には横に、壁の端部及び隅角部には縦に、それぞれ径九ミリメートル以上の鉄筋を配置すること。
四 壁内には、径九ミリメートル以上の鉄筋を縦横に八十センチメートル以下の間隔で配置すること。
五 長さ三・四メートル以下ごとに、径九ミリメートル以上の鉄筋を配置した控壁で基礎の部分において壁面から高さの五分の一以上突出したものを設けること。
六 第三号及び第四号の規定により配置する鉄筋の末端は、かぎ状に折り曲げて、縦筋にあつては壁頂及び基礎の横筋に、横筋にあつてはこれらの縦筋に、それぞれかぎ掛けして定着すること。ただし、縦筋をその径の四十倍以上基礎に定着させる場合にあつては、縦筋の末端は、基礎の横筋にかぎ掛けしないことができる。
七 基礎の丈は、三十五センチメートル以上とし、根入れの深さは三十センチメートル以上とすること。