定期購読をしている建築雑誌がどんどんと溜まっていきます。
例えば、日経アーキテクチュアは隔週で送られてくるので、毎月2冊ずつ増えて今では計600冊以上所有しています。
古くなった雑誌を再度読み直すという機会はそうそうありません。
しかし、こういった雑誌でもいつ読み返したくなるときがあるか分からないので捨てられないでいました。
とはいえ、増えていく一方の雑誌をいい加減減らしていかないといけないと思い、私は一年ほど前から書籍関係をPDF化する作業を少しずつ進めていました。
試行錯誤しながらやってきましたが、この方法がとりあえず良いかなと思えるやり方で落ち着いてきたので、その方法をご紹介したいと思います。
まず始めに伝えたいこと2つ
本のPDF化をこれからやってみようと考えている方に、2つ言いたいことがあります。
ひとつめは、
その本、本当にPDF化する価値がありますか?
書籍をスキャナーで読み込んで、PDFにしていく作業は実際にやってみると想像する以上に時間を費やします。
普段から仕事の書類等をスキャナーで読み込んでPDFにするということをしている方は多いと思いますが、それと本を裁断してスキャナーで読み込んでいく作業は労力がまったく異なります。
なんでもかんでもすべての本をPDF化しようとは考えず、不要なことが明らかな本は処分しましょう。
ふたつめは、
作業効率をあげてくれるアイテムは買うべき!
ひとつめで話したように、PDF化をする作業には多くの時間を費やします。
便利なアイテムを使うときれいに早くPDF化することができるので、ある程度の出費はしょうがないと思って取り組まれたほうが良いと思います。
私自身、できるだけコストを掛けずにPDF化したいと思って取り掛かりました。
しかし、考えていた以上の大変さに途中で挫折し、裁断機とスキャナーを購入しました。
これらはもっと早くに購入しておけば良かったなと思っています。
最初にやっていた私のダメなやり方
私が一番最初にPDF化に取り掛かったとき、できるだけお金をかけずにやることを考えてやっていました。
定規とカッターを使って裁断し、会社の複合機でスキャンをする。
そんなやり方で始めました。
しかし、このやり方は長く続きませんでした。
定規とカッターを使った裁断
まず、最初に断念したのは、定規とカッターで裁断していく作業。
20~30冊程度は頑張って切ったと思います。
ただ、少量ずつしか切っていけない効率の悪さ、同じサイズに切ることの難しさに断念し、早々に裁断機を購入する決意に至りました。
複合機を使ったスキャン作業
次に、複合機でのスキャン作業。
仕事で使っている複合機があるというのは恵まれた環境であると思います。
しかし、複合機でのスキャン作業は、200~300冊作業をしたところで断念し、別途専用のスキャナーを買うことになりました。
裁断機とは違ってこれはなかなか諦めることができず、だいぶ粘って粘って作業を続けました…。
なぜ、複合機でのスキャンが駄目だったかというと、複数枚重なって読み込んでしまう、用紙が傾いて読み込んでしまう、紙詰まりをおこして破れてしまう等のエラーの多さです。
こういった読み込みのエラーの多さの原因は、複合機の行って帰ってくるという用紙送りの複雑さが原因だと思います。
通常仕事で使っているコピー用紙ではこのようなことはなかったので、紙の質や厚み等が関係していると思います。
ちなみに、両面スキャンをやってしまうと、さらにエラーが頻発するので片面ずつスキャンしていました。
奇数ページ、偶数ページそれぞれスキャンして、PDF Split and Mergeというアプリで結合させていたのですが、2つのPDFファイルのページを交互に挿入して結合できるのですごいアプリです。話が脱線しましたがおすすめのアプリです。
窓の杜HP PDF Split and Merge
https://forest.watch.impress.co.jp/library/software/pdfsam/
こういったスキャンの失敗は、ファイルを開いて失敗している箇所を探して、失敗している箇所を見つけたら再度スキャンし直してという手間のかかる作業になるので、とてもストレスでした。
失敗を経て買ったもの
裁断機
裁断機はどれにするか悩みました。
一度に裁断できる枚数が多いほうが良いけれど、そうすると本体が大きくなる。
本体が小さくなると一度に裁断できる枚数が少なくなってしまう。
悩む…。
いろんなことを想定して結局買ったのは、プラスの裁断機PK-213。
コンパクトさを優先しました。
なぜなら、使わないで部屋の片隅に置いている時間の方が長いと思ったことと、本体が大きく重たくなるとしまい込んでしまって使わなくなるんじゃないかと思ったからです。
結果、コンパクトな裁断機にして良かったです。
コンパクトといっても重さは6kgあります。ただし、寸法は小さいので収納で邪魔になるようなことはありません。
分厚い本は一度カッターで切って分解してからの裁断になるので手間にはなるのですが、これ以上大きなサイズの裁断機は業者でもない限りいらないのではないかと思っています。
スキャナー
スキャナーはレビューで人気があったScanSnapiX1500を買いました。
結果、大満足。
【良かったところ】
- エラーが少ない
これが一番大事。ほぼ読み込みに失敗することが無いのでノーストレスです。たまに自分の失敗で裁断のときに糊が残ってしまっていて、紙が重なった状態で送り込まれてしまうことがあるのですが、このようなときでも重送をセンサーが検出してくれるのでとても助かっています。 - 早くて静か
読み取りが早いです。ページ数が150ページ程の日経アーキテクチュアが約2分で読み取り完了します。速さと音の参考に動画を貼っておきます。 - 汚れを通知してくれる
スキャンを繰り返していると、読み取り部分のガラス面にどうしても汚れが付着します。この汚れに気づかずスキャンを続けてしまうと読み込んだ画像に縦筋が入ってしまって、再度やり直す羽目になります。しかし、汚れを検知してくれるのでこのような手戻りがありません。
スキャンの精度が良いと本当に作業が楽になります。
プリントの機能がないスキャナー専用機を買うことに抵抗と迷いがあったのですが買って良かったです。
PDFのデータにしたあと
私はスキャンで読み込んだ書籍のPDFデータをすべてクラウド上に保存しています。
主に使っているのは、GoogleDriveとOneDriveです。
そして、読むときは電子書籍リーダーアプリで読んでいます。
使用しているアプリは、ComicShareです。
ComicShare
https://comicshare.net/
アプリは読みやすものであれば良いと思いますが、欠かすことができない機能はストリーミングです。
ストリーミングの機能があると、iPhone等にデータを保存しておく必要がありません。
私が現在スキャンした本の数は約600冊。データの容量は約60GBあります。
これら全てのデータをスマホに保存しておくことは現実的ではありません。
スマホを買い替えたときはデータを移し替えないといけませんし、なによりもまだまだこれからスキャンしていく本の数は増えていくので、最終的には1,000GBくらいの容量になるのではないかと思っています。
ストリーミングを使うにはネットの環境が必要になってしまうのですが、スキャナで読み込んでパソコンやサーバーに保存している大量の本を好きなときに読み始めることができるので快適です。